遺品整理ブログ 孤立死・孤独死問題を現場から

投稿日:2015年01月23日

昨今、テレビや新聞等のニュースや特集で取り上げられるようになった孤立死・孤独死の問題を、遺品整理に携わる立場として実際の現場の声で書いていきたいと思います。
 ※孤立死・孤独死の遺品整理現場の画像を掲載しております。気分を害する場合がございます。閲覧にはご注意ください。
 
 今日も電話がなりました。
 
 お客様
 「プルル~プルル~」
 
 しわけ侍
 「お電話ありがとうございます。遺品整理のしわけ侍です。」
 
 お客様
 「すいません。○○が亡くなったので、遺品整理のお願いをしたいのですが、見積りに来ていただけますか?」
 

 

しわけ侍
 「遺品整理のお見積りですね?」
 
 お客様
 「はい」
 
 しわけ侍
 「かしこまりました。ありがとうございます。お客様、ご都合のよろしい日時を教えていただけますでしょうか?」
 
 こんな感じでお電話をいただきます。
 更に進めます。
 
 お客様
 「遠方なのでそちら(例 名古屋、岐阜、三重)に行けるのは○日頃になります。○日でお願いできますか?」
 
 しわけ侍
 「かしこまりました。では、○日の△時にお伺いさせていただきますので、宜しくお願い致します。」
 
 お客様
 「こちらこそ、宜しくお願います。」
 
 しわけ侍
 「では、現場の状況をわかる範囲で教えてください。」
 
 お客様
 「はい」
 
 しわけ侍
 「戸建てですか?マンション・アパートですか?間取りは?」
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       ・
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       ・
 しわけ侍
 「○○様はお一人暮らしでしたか?」
 
 お客様
 「はい。一人暮らしでした。」
 
 しわけ侍
 「失礼ですが、どのような形でご逝去されましたか?ご自宅ですか?病院ですか?ご自宅の場合、死後発見までどのくらいでしたか?」
 
 お客様
 「自宅で倒れていたそうです。死後数ヶ月経過しているとのことでした。警察には事件性なしと言われました。」
 
 しわけ侍
 「かしこまりました。」
 
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       ・
       ・
 しわけ侍
 「では、当日宜しくお願い致します。」

 

 「ガチャ」
 
 そして、現場で見積りとなるのですが、電話でのやりとりで大半は孤立死・孤独死であったかどうかの判断ができます。
 
 おわかりかと思いますが、例題のケースは、

 

 ・ご遺族が遠方であること
  ・故人が一人暮らしをしていたこと
  ・ご自宅でご逝去され、死後数ヶ月経過していること
 
 そのことから、孤立死・孤独死であると結論づけることができます。
 
 見積り当日です。
 
 現場近くに車を駐車し、車を降りると誰もが顔を背けたくなるような異臭がします(マンションなら同じフロア辺りから)。
 私も最初はそうでしたが、今は考え方等が変わったため顔を背けることはありません。
 臭いは死後発見されるまでの経過日数等により異なります。
 
 お客様と玄関先で待ち合わせをします。
 
 「はじめまして。しわけ侍の□□です。本日は宜しくお願い致します。」
 
 お客様に挨拶をしたら、鍵を預かり、お客様立ち合いのもと合掌をし、玄関扉を開けます。
 
 異臭等が発生しているような現場の場合、大半のお客様は玄関先までの立ち合いで家の中には入ることはありません。
 
 玄関扉を開けると、一段と臭いが増します。
 
 再度合掌をして、家の中に入り遺品の量や種類等を確認します。
 
 ご遺体があった場所および周辺は、故人の体液が体内から漏れ、お布団や床に広がっている状態です。
 体液は床下まで浸透します。
 さらにウジ等の害虫が発生しています。
 
 1419855504006.jpg状況を確認したら、家から出て、玄関扉を閉めます。

 

付近住民様への配慮も必要です。
 
 お客様に遺品の量や種類、家の中の状況等を説明します。
 写真を使用しての説明が可能なら、写真を使用して説明しますが、できない場合もあります。
 
 私の経験ですが、家の中の写真撮影が全くできない現場がありました。
 何度撮影しても画面が真っ暗になってしまうのです。
 「カメラの故障かな?」と思い、一旦家の外に出て撮影すると問題なく撮影できました。
 そのようなこともありますので、弊社では「可能な場合は写真を使用して説明する」としております。
 上記の現場は、そういったことから、宗教家に現場まで出張してもらい、ご供養をしてから作業させていただきました。
 
 お見積りをし、その後ご契約となりました。
 
 そして、遺品整理作業当日です。
 
 体液等が体内から漏れてしまっているような現場の場合は、通常の遺品整理では着用しない防護服(イメージは福島第一原発の画像で見るような服)を着用します。
 これは、故人が血液性の疾患等を患っていたということもあるからです。
 血液性の疾患を患っていた場合、体液を素手で触ったことによって爪の間や傷口等から、作業員が感染してしまう可能性があります。
 それを防止するための一つとして防護服を着用します。
 1419855497242.jpg準備ができたら仕分け作業開始です。
 
 仕分けをすると故人の様々な想いが見えてきます。
 
 お子さんがいらっしゃった方は、「お子さんの写真」「お子さんが小さい頃に書いたと思われる作文や絵」「離婚によって離れ離れにになってしまったお子さんからの手紙や年賀状」等、上記のような遺品が「大量」に出てきます。
 
 「大量」というところが孤立死・孤独死でない方と異なります。
 
 お子さんがいるいないに関係なく共通する遺品の特徴として、「CD」「DVD」「書籍」「自分で書いた絵」「お酒」等、一人でできることに繋がる物ばかりあるということです。
 
 「でも、それは誰にでもある遺品でしょ?!」と思うかもしれません。
 
 確かにそうです。
 私も、「CD」や「書籍」は持っています。
 
 しかし、注目するべき点は、その「量」です。
 
 「音楽マニアだった」「読書マニアだった」と言ってしまえば、それで片づけられてしまうかもしれません。
 ただ、「マニア」と言えるくらいの「大量」であることは事実です。
 
 私はこう思います。
 
 きっかけは「寂しさ等を紛らわすこと」だったのではないかと。
 
 そして、その結果として、マニアと言われるくらいの量になったのだと。
 
 とても他人事とは言えません。
 
 ある程度の年齢になって友人関係との繋がりも希薄化し、独居になったらと考えると、きっと寂しいと思います。
 そして、その寂しさを紛らわすために「何かしよう」と思うはずです。
 社会から孤立していたら、物に走る気がします。
 
 誰もが孤立する可能性を持っています。
 
 だから、他人事とは言えないのです。
 
 上記のように孤立死・孤独死の遺品整理の現場では、特定の物が「大量」にあります。
 
 私は、それが故人の「寂しかった」というメッセージだと思っています。
 
 孤立死・孤独死の問題を遺品整理の現場からという角度で書かせていただきました。
 
 社会から孤立・孤独となり、誰にも発見されることなく死後数ヶ月経過し、体液が漏れた状態等で発見されることを望みますか?
 
 大半の方が望まないと思います。
 
 自分や大切な人がそうならないために「自分には何ができるのか?」を一人一人が考え、実行するべきではないでしょうか?
 
 それが孤立死・孤独死問題の減少に繋がるのではないかと思います。
 
 1419855473652.jpg